いつものように訪問リハビリマッサージをしていると、おばあさんが話を始めました。
そのおばあさんは車イスでの生活、普段はベットの上で休まれております。車イスへの移乗は一人で可能。
リハビリマッサージをすると世間話が始まりました。
「あんたなー、昨日の夜はあまり寝れんかったわ。よる目が覚めると布団の足元に髪の長い女が、じーとすわっとるの、一言もしゃべらず、ただ座っているんだわ。顔が髪の毛でかくれてみえないの、横からみると紙のようにぺらぺらなんだわ。それでなー、ちょっと前のことなんだけど、天井の細い隙間からよくぺらぺらな人間が顔を出してのぞくの。こんな毎日では、おちおち眠っとれーへん。」
こんなことを言い始めるのです。
「そんなことでは、おばあさんの言うように寝とれーへんわな。職員さんに話したの。」
「言ってはみたものの、なかなか、かわりゃーせん。こまったなー。それにこの前、おとこのひとが部屋に入って来て、入り口でずーと立っとるの、きもちわるいよー。なんとかしてもらわなあかんわー。」
職員さんにそのことを報告すると、当然ながら最初の話は妄想で、次の話は、おなじ施設の認知症のおじいさんの話だそうです。なかなか、おばあさんの心の平和はおとずれません。
数ヵ月後、そのおばあさんのお部屋のドアノブに紐がまいてありました。たぶん、鍵のつもりで巻いたのでしょう。私がみても鍵の役目を果たしているとは思えませんが、それだけ、おばあさんにとっては深刻なのでしょう。
結局、このおばあさんに対して、マッサージ・リハビリ以外、話を聞いてあげることしかできませんでした。
訪問マッサージ 名古屋 北区 ジャーミン



